「AI対策」は1種類ではない
以前のコラムで、AIの回答には「言及」「引用」「推奨」という別々の段階があることを紹介しました。ここからさらに一歩進めると、この歩留まりの傾向はAIモデルによって大きく異なります。「公式サイトの情報を整えれば、どのAIにも同じように評価される」という前提は危険です。ここでは主要4モデルの傾向と、それぞれに対する対策の方向性を整理します。
ChatGPT:引用はするが、ブランド名は出しにくい
Semrush社がKevin Indig氏(Growth Memo)と共同で実施した2026年の調査(3,981ドメイン・115プロンプト・14ヶ国・ChatGPT/Google AI Overviews/Gemini/AI Modeの4AI対象)によると、ChatGPTは87%のケースで出典を引用する一方、回答文中にブランド名まで出すのは20.7%にとどまります。[1]
また、比較・推奨系の質問では、公式サイトよりも第三者のランキング・比較メディアが情報源として選ばれやすい傾向があります。「公式サイト重視」と決めつけず、質問の性質(事実確認か、比較・推奨か)によって参照先の傾向が変わることを踏まえた対策が必要です。自社サイトの情報整備に加え、比較・ランキング系メディアに掲載されることも重要になります。
Perplexity:常時Web検索・出典表示が明示的
Perplexityは常時Web検索を行うAI検索エンジンで、公式・第三者を問わず幅広く参照し、出典を明示的に表示する設計になっています。出典が明示される分、参照元の内容の正確さがそのまま回答の可視化された「証拠」として使われやすい構造です。情報の正確性と鮮度を保つことに加え、比較記事や第三者メディアからの被参照も意識する必要があります。
Google AIモード:比較・ランキングメディアへの依存が高い
Google AIモードは、オリコンのような第三者の比較・ランキングメディアへの依存が高い傾向があります。対策としては、比較サイト・ランキングメディアでの評価・掲載を増やすことが優先度が高くなります。なお、Google AIモードとGeminiは別モデルであり、混同して同じ対策を当てはめないよう注意が必要です。
Gemini:言及率は高いが、引用(URL表示)は低い
同じSemrush社の調査では、Geminiはブランド名の言及率が83.7%と高い一方、引用(出典URLの表示)は21.4%にとどまっています。[1]第三者メディアへの依存傾向が強く、「言及されている」ことと「URLとして引用されている」ことは別の軸だと理解しておく必要があります。引用が無くても、言及自体はされている可能性がある、という点が対策上のポイントです。
共通して押さえておきたい3つの留意点
- 構造化データだけで解決すると謳うのは避ける:Ahrefsの実証実験(2026年5月発表、1,885ページ追加 vs 4,000ページのコントロール群)では、JSON-LD追加の効果はChatGPT・Google AIモードともに統計的にゼロと区別がつかず、Google AI Overviewsではむしろ-4.6%の有意な減少という結果も出ています。[2]
- llms.txt・FAQPage単体の訴求は根拠にしない:Google検索の公式ガイドは、AI機能に表示されるために「新しい機械可読ファイル・AI専用のテキストファイル・特別なマークアップを作る必要はない」と明記しており、llms.txtも名指しで「不要な施策」に分類されています。[3]
- 上記の傾向は固定的な法則ではない:業界・商材・質問の型(事実確認か、比較・推奨か)によって変わりやすいため、「傾向」として扱うのが正確です。
まとめ:モデル別の傾向一覧
ここまでの内容を一覧にすると、次のようになります。
| AI | 情報源の傾向 | 対策の方向性 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 引用87%/言及20.7% | 比較・ランキングメディア掲載 | 質問の性質で変わる |
| Perplexity | 出典表示が明示的 | 正確性・鮮度の維持 | 内容の正確さが可視化されやすい |
| Google AIモード | 比較・ランキングメディア依存 | 比較サイトでの評価向上 | Geminiとは別モデル |
| Gemini | 言及83.7%/引用21.4% | 第三者メディアでの認知形成 | 言及と引用は別軸 |
- 構造化データやllms.txtだけで解決を謳うのは危険。傾向は業界・質問の型によって変わる「傾向」として扱うべき
[1] Why 62% of AI citations don't lead to brand mentions [Study] ― Semrush(2026年)
[2] Ahrefs 実証実験(2026年5月発表、1,885ページ追加 vs 4,000ページのコントロール群、前後30日・DiD分析)
[3] AI Features and Your Website ― Google Search Central(Google for Developers)
監修:Gov Sync株式会社 AI検索最適化サービス担当 水野 明日香/最終更新日:2026年8月12日
