サイト移転・URL統合で見落とされがちな落とし穴
サイトのリニューアルやURL統合の際、多くの会社が「リダイレクトを設定したから問題ない」と考えます。しかし、AIクローラーにとって「辿れるリダイレクト」と「辿れないリダイレクト」があることは、意外と知られていません。実装方式を間違えると、旧ページも新ページもAIから見えなくなるという事態が起こり得ます。
○ 対応できる:サーバー側のHTTP 301/302リダイレクト
サーバーが返すレスポンスヘッダーのLocationで転送先を伝える、いわゆる301(恒久的)・302(一時的)・307・308リダイレクトは、JavaScriptの実行を必要としません。そのため、GPTBot・PerplexityBot・ClaudeBotといった主要AIクローラーも問題なく転送先まで辿り着けます。
ただし細かな違いもあります。ボットが1回のアクセスで追跡できるリダイレクトの回数(ホップ数)には3〜5回程度の上限があり、301・308は転送先を記憶して以後は直接その URLにアクセスするのに対し、302・307は毎回リダイレクト元に再アクセスして確認する、という差があります。いずれの方式でも、リダイレクト時にCookieは引き継がれません。
× 対応できない:JavaScriptでの画面遷移
一方、ボタンクリックでlocation.hrefを書き換えるような画面遷移や、SPA(シングルページアプリケーション)的なクライアントサイドでのルーティングは、多くのAIクローラーにとって「存在しない」のと同じ扱いになります。
2026年6月時点の実測では、GPTBot・OAI-SearchBot・ChatGPT-User・ClaudeBot・Claude-SearchBot・PerplexityBot・Meta-ExternalAgent・Bytespiderを含む主要AIクローラーは、いずれもJavaScriptを実行しません。GPTBotはリクエストの約11.5%でJSファイル自体を取得するものの実行はせず、ClaudeBotも約23.8%取得するが実行しない、という結果が報告されています。[1]
人間のユーザーがブラウザで見るぶんには何の問題もなく遷移できていても、AIクローラーの目線では「リンク先が読み込まれない壊れたページ」として扱われてしまう、という点が実務上のポイントです。
Google-Extendedとの違い
なお、Googleが提供する「Google-Extended」というクローラー制御タグは、リダイレクト対応の話とは別の位置づけです。GeminiやVertex AIの学習データとしてサイトを使うかどうかを制御するもので、これをブロックしてもGoogle検索の通常の検索順位には影響しません。
診断時のチェックポイント
- サイト移転・URL統合を行う場合、必ずサーバー側の301/302で実装されているかを確認する
- 特にSPA構成のサイトやシングルページで擬似的に複数ページを表現しているサイトは、JSでの遷移になっていないか要チェック
- 「人間には見えている」ことと「AIクローラーに見えている」ことは別問題として、技術監査項目に加える価値がある
[1] Do AI Crawlers Render JavaScript? GPTBot, ClaudeBot, and Perplexity in 2026 ― SearchOptimo(2026年6月時点の実測情報)
監修:Gov Sync株式会社 AI検索最適化サービス担当 水野 明日香/最終更新日:2026年8月12日
